関税とは

9月 27, 2016 in 税金

国内製品との差を埋める

関税とは人間の歴史においてかなり古くからある税金の形態です。
古代都市国家においては手数料として導入されて、その後は内国関税や国境関税などのように形を変化させてきて、現代における関税とは輸入品にかかる税のことです。
関税の役目とは輸入品から国内品を守るためのものです。

外国から安い製品がどんどん輸入されてしまうと、同製品を扱っている国内のメーカーは大きな打撃を受けてしまうでしょう。
輸入品を買ったとしても、その利益は海外の企業のものとなってしまいます。
そのため関税をかけることによって、国内の製品との価格差をなくそうとします。

最近は海外から輸入された安い商品がたくさん出回っています。
既に安いのですが、これは関税がなくなったとしたらさらに安くなってしまうのです。
特に製造業や農業においては関税はとても重要な役割を果たしてきました。

国内産業を守るための防波堤として関税が一定の効果をあげてきたのです。
国内の企業が経営不振で倒産することになれば失業者の数が増えてしまうため、国家の支出も増えます。
また、利益が少なくなれば税収が減ってしまうため、これも国家には大きな影響を与えるでしょう。

つまり、国内産業を守ることは国家の経済を守ることと直結しているのです。
そして、現代ではグローバル経済が良いものとされていて、どんどん関税の撤廃が議論されています。
ニュースでよく見るTPPも関税に関したものです。

TPPと関税

数十年前から世界中の国で貿易の自由化が推進されてきました。
日本は当然これに抵抗してきました。
国内産業を守るためであり、日本には不利な状況になると判断したからです。

近年はTPPによって関税の撤廃をさせようとアメリカが画策しています。
過去に日本はFTA、自由貿易協定の推進に一応協力してきたのですが、国内産業を守るために必要な抵抗や措置は行っていました。
しかし、TPPの場合は例外を一切認めないものとなっているため、これに日本が安易に乗るべきではないという意見が出ています。

日本が自国内で農業生産を維持していくためには農産物関税は必要不可欠なものだという意見は多いです。
食料を安く海外から輸入しても国を存続させることは可能ですが、万が一のときには国内で食料生産が維持されていないと大変なことになってしまうでしょう。
TPPというのは基本的にアメリカが自国の利益のためにやっていることであり、これに安易に参加するべきではないといわれています。

これからも関税の撤廃という流れは推進されていくでしょうが、自国の経済との兼ね合いをどうすればいいのかは重要な課題となるでしょう。
どちらの方が正しいという問題ではないのです。